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2015.01.04
新年明けましておめでとうございます。今年もDigital Media Strategiesをよろしくお願いします。
新年明けましておめでとうございます。今年もDigital Media Strategiesをよろしくお願いします。
昨年も、いくつかの提携のお手伝いや欧米テクノロジーの評価・機能比較、新規テクノロジー調査などを担当させて頂きました。また、ヨーロッパでの業務が増え、いくつかの国でのマーケテクスタートアップとの話を進めることができました。
昨年、欧米でのいくつかの大きな動きがあり、今年のアドテク・マーケテク業界にも影響を与えると思うので、気になっていることをリストしてみましょう。
- TVCMのプログラマティック化
日本ではまだインフラが整っていませんが、Interpublic Groupが2016年7月にすべての広告購買の50%をプログラマティック機能を使って行うという発表を受けて、TVCMの購買もプログラマティック化が進み個別ターゲティング、ターゲット含有率の最適化などが進んでいます。ケーブルや衛星放送のセットトップボックスデータも使われ始めています。
- クロスメディア・購買形態をまたいだプログラマティック化
上記のTVCMの動きとともに、オンラインビデオ、モバイル広告のプログラマティック化が進んでいますが、同時に、純広など保証・直販在庫の売買をプログラマティック化する、プログラマティックディレクトが進んでいます。過去2年程度で伸びてきたプライベートマーケットプレースと合わせて、様々なレベルの在庫でプログラマティック化が進み、それもビデオCMに反応した人をモバイル広告でリターゲティングするというようなクロスメディア施策が行われるようになっています。
- CRMの延長としての広告
リターゲティングはある意味、非常に初期のCRMの延長的な施策でしたが、オンライン・オフラインデータの統合でこの分野が加速しています。AcxiomがLiveRampを買収し、そしてOracleがDatalogixを買収して、CRMデータを使って広告やコンテンツのパーソナル化を推し進める環境が整いました。これから広告・コンテンツのシークエンス化が起こっていきます。
- IOT・ウェラブルからのデータ利用
物のインターネット(IOT)やウェラブルでどうやって広告メッセージを送るのかという議論がありますが、まずはこれらはデータ提供から始まると考えた方が良いと思います。センサー、ビーコンなどが導入され、それを使ってロケーション、気温、湿度などのデータをRTB広告の入札価格決定データとして使われるというようなことはすでに行われています。上記のオンライン・オフラインデータとの統合での利用も可能になっています。
- MSPのエージェンシー化
上記のような広告・マーケティング施策を行っていくためには、オーディエンス分析・セグメント化などを今まで30年やってきたマーケティングサービスプロバイダー(MSP)のノウハウを利用して施策を企画すべきということで、MSPがエージェンシーを買収したりオンライン側でのエージェンシー機能を強化させています。またStarcom MediaVestなどメディアエージェンシーもMSPのサポートを得て、メディア購買の仕方を大きく変えています。
2015年もまた大きな動きのある年になりそうです。
今年も、このような変化が日本・アジアでどのような意味を持つのかの考察を加えながら、様々な情報やコンサルティングサービスを提供して行きたいと思います。今年もよろしくお願いします。
Digital Media Strategies 代表 織田浩一
January 4, 2015 in Announcement | Permalink